耳の奥のほうの内耳に存在するリンパ液(水分)は、人間が頭や体を動かしたり、傾けたりした場合に、一緒に動き、平衡感覚をつかさどっています。
このリンパ液という水分が多くなりすぎる(水毒)と、平行調節がうまくできなくなり、めまいが生じます。
また内耳の中に水分がたまっているので、耳がふさがった感じや、突然、耳が聴こえにくくなったり(突発性難聴)もします。これが、よくいわれるメニエール症候群です。
メニエール症候群に、吐き気・嘔吐を伴うのは、胃液という水分を吐き出して、体内の水分の全体量を減らそうとする反応にほかなりません。
めまい・メニエール症候群・耳鳴り・突発性難聴の原因は
メニエール症候群になると、診療した医師から「最近、ストレスや疲れが重なったでしょう」と尋ねられることが多くなります。めまいやメニエール症候群の要因として挙げられるのは、ストレスや疲れだと考えられているからです。
ストレスや疲れが重なると、人間の体は、大・小便の排泄力が落ちます。つまり、当然、内耳のリンパ液も多くなり、めまいや耳鳴り、突発性難聴やメニエール症候群が起こりやすくなるのです。
また、日ごろから、水、緑茶、コーヒー、清涼飲料水を多く飲む人は、恒常的に体内が水分過多の状態にあり、こうした症状・病気にかかりやすいということになります。
めまい・メニエール症候群・耳鳴り・突発性難聴の対策と治療は
めまいやメニエール症候群の発作は、安静時や起床時など体を動かしていないときに起こりやすく、歩いたり、運動したりしているときには起こりません。体を動かしているときは、筋肉が、体内の水分を使ってくれているからです。
めまい・メニエール症候群・耳鳴り・突発性難聴に対する漢方薬は、水を出す成分のブクリョウ(茯苓:サルノコシカケ科のマツホドの菌核をそのまま乾燥したもの)、ジュツ(朮:キク科の根や茎を乾燥させたもの)と血行、とくに内耳の血行をよくするニッキ(桂皮)などよりなるリョウケイジュツカントウ(苓桂朮甘湯)があります。
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また、めまい・メニエール症候群・耳鳴り・突発性難聴の対策としては、以下のようなことが挙げられます。
- 日頃から、水、緑茶、牛乳、ビール、清涼飲料水、コーヒー、麦茶などで水分をとりすぎない。
- 生姜紅茶、生姜湯、ゆで小豆で、利尿と発汗を促す。
- 吐き気、嘔吐だけという場合は、梅干し1個をコップ2杯(約360ml)の水で半量くらいになるまで煮て、少し冷ましてから飲む。
- ウォーキング、スクワットをはじめとする運動、スポーツや肉体労働を励行し、筋肉を動かし、体温を高め、筋肉による水分の消費、発汗を促す。
- 入浴は、シャワーですませず、湯ぶねにゆっくりつかり、また、塩風呂、生姜風呂、サウナもときに利用し、発汗、利尿を促す。